
ケイメイ・コーチング社CEOで、ラテンアメリカの日系社会において多くの経験を持つセバスティアン・カカズ氏は、ペルー新報社の記者によるインタビューを通じて危機の時期において日系人である価値について語った。
まず、「現在の新型コロナウイルス世界的大流行における日系人の役割をどう分析しますか」との質問に、セバスティアン・カカズ氏は「私は現在の世界における特別な状況において、日系人が発信できるメッセージがあると思います。『危機を機会に転ずる』とよく言われます。日本語で危機という漢字は危険の『危』と機会の『機』を合わせたものです。我々のおじいさん、おばあさん、ひいおじいさん、ひいおばあさんらは日本から中南米にラテンアメリカ諸国に移住しました。そして、ラテンアメリカ諸国において、様々な危機を経験し対応に慣れています。日本は第二次世界大戦後における敗戦を乗り越え、短い期間において逆境への強さと向上心をもって、世界第三位の経済大国になりました。私は日系人には危機を乗り越えてきたの遺伝子が存在すると思います」と強調した。
また、セバスティアン・カカズ氏は「現在我々が生活している状況は、我々が人類として成長する機会を与えてくれるのだろうと思います。現在の世界は個人主義的になりすぎているのかもしれません。皆が自分だけが助かることを考えています。しかしながら、新型コロナウイルスの特性を考えると自分一人だけが助かるということはありません。このパラダイムの変化は、人々が集団のことを考え始めること、我々の健康だけでなく、我々が一緒に住む人の健康のことも心配することを意味します。『離れていることで、より繋がることができる』という言葉が、共通の目的のために我々が両親や友人たちと一時的に離れるという自己犠牲をするうえでのスローガンになっています」と語った。
さらに、「現在の危機の状況においてペルーにおいて会社を設立するのですか」との質問に、セバスティアン・カカズ氏は「はい。全ての危機は機会ともなります。現在、ペルーにおいてケイメイ・コーチング社を設立する大きな機会が訪れています。そして、これは中南米の日系人のネットワークによって実現できたものだと思います。私は2007年のリーダーカンビオにおいて出会ったメンバーとコーチングをはじめ、2009年のパンアメリカン日系人大会(COPANI)において現在の妻と知り合い、そして今私はパラグアイに住み、彼女のおかげで現在の活動のベースとしています。ペルーのケイメイ・コーチング社の代表のグスタボ・ナカムラ氏とはアルゼンチンで実施された2013年のパンアメリカン日系人大会(COPANI)をプロモーションする際に知り合いました。また、2017年にペルーのリマで実施されたパンアメリカン日系人大会(COPANI)においてアレハンドロ・カスガ氏と知り合い、いくつかのプロジェクトを一緒に進めるようになりました。そして現在、2020年における大きな機会は、バーチャルに国境を超えることであり、グローバルにプロジェクトを進める絶好の機会となっています」と強調した。