
11月1日、ペルー在住の大塚文平氏がペルー日系人社会の中で初めて叙階した「加藤マヌエル神父」の波乱と慈愛に満ちた一代記である『炎の人 ペルー日系人 加藤マヌエル神父』を発刊した。同著においては2017年1月6日に90歳で帰天されたカトリック司祭、加藤マヌエル神父様の生涯が一冊の本となっている。
著者である大塚文平氏は「私が加藤神父様の一代記を執筆したいと思った最大の動機は、神父様の足跡とくに手掛けられた多くの慈善事業が砂漠の中に埋もれてしまうのを、何としても食い止めたい思いでありました。構想から一代記の完成まで約5年の歳月を要しました。執筆は、神父様の口述筆記から始めていたのが、28歳ごろまでで、神父様が帰天されてしまったのです。その後については、日本とペルーの関係者にインタビューをすることと、神父様が自ら記された記録や他所で掲載されていた情報を集めて、集大成したものが拙作「炎の人」です。一人で書き上げて出版社を探していたところ、幸運にもクレアリー寛子さんという女性と巡り合い、彼女が編集から出版社探しまで、全面的に協力してくれたのです。加藤神父様の足跡を日本語で書き物にして残すことは、ペルーに居住する日本人の誰かがせねばならない責務だと感じ、一心に執筆に打ち込んだ思いであります。日本語では、曲がりなりにも一代記が完成しましたが、今度はスペイン語による一代記の編集が必要であると痛切に感じています。カトリック信徒でもない私が一代記を書いて、日本の社会に一石を投じた訳ですが、今度は神父様と常日頃生活を共にされたエンマヌエル協会の関係者の方々がスペイン語による一代記を編集されるとしたら、どんなに素晴らしいことかと胸が躍ります。私の思いを日系人の各位に伝えられたら、これに越した喜びはありません。」とペルー新報社の記者によるバーチャル形式のインタビューにおいて語った。
また、『炎の人 ペルー日系人 加藤マヌエル神父』は日相出版ホームページか日本国内の書店において注文することで購入できる。
なお、同本販売による収益金の一部は、加藤神父様の慈善事業を後継する人々・団体の活動支援金として活用される。
インタビュー:都丸大輔